日本で製造した健康食品やサプリメントを、自社ブランドとして海外で販売したい。
そう考えて日本のOEMメーカーを探し始めたものの、海外企業との直接取引に対応していなかったり、日本国内の取引窓口を求められたりするケースがあります。
「海外企業は日本のOEM工場に直接製造を依頼できないのだろうか?」
そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。
結論からいえば、海外企業が日本のOEMメーカーと直接取引することは可能です。
ただし、すべてのメーカーが海外企業との直接取引に対応しているわけではありません。
その背景には、言語の違いだけでなく、取引条件の調整や輸出に関する確認事項など、さまざまな実務上の事情があります。
この記事では、日本の健康食品OEMメーカーと海外企業との取引について、直接取引が難しい場合の理由、商社やOEMコーディネーターの役割、製造先を選ぶ際の確認ポイントを解説します。
日本のOEMメーカーは海外企業と直接取引できる?
日本の健康食品OEMメーカーが海外企業と直接取引することについて、一律に禁止するルールがあるわけではありません。
実際に取引できるかどうかは、メーカーごとの事業方針や対応体制、依頼する商品の条件などによって異なります。
例えば、海外企業からの問い合わせや輸出向け商品の製造に対応しているメーカーもあれば、取引窓口を日本国内の企業に限定しているメーカーもあります。
ここで区別しておきたいのが、「海外企業と直接契約できるか」と「海外向けの商品を製造できるか」という二つの問題です。
海外企業との直接契約には対応していなくても、日本国内の商社などを通じて海外向け商品を製造できる場合があります。
反対に、海外企業との取引が可能でも、希望する販売国の規制に適合する商品を製造できるとは限りません。
そのため、OEMメーカーを探す際には、製造できる商品の種類だけでなく、海外企業との取引方法や輸出向け製品への対応範囲も確認する必要があります。
海外企業との直接取引が難しい場合がある理由
海外取引に対応する窓口や体制が必要になる
健康食品OEMでは、問い合わせから製品の完成まで、さまざまな情報のやり取りが発生します。
商品コンセプト、使用原料、配合量、試作品の評価、包装仕様、製造数量、納期など、確認すべき内容は少なくありません。
海外企業との取引では、こうした情報を双方が正確に理解できる体制が必要です。
英語での対応を希望する場合、専門的な内容を説明できる担当者がいるかどうかも関係します。
特に、原料規格や製造条件などの認識が食い違うと、試作や製造のやり直しにつながる可能性があります。
海外企業との直接取引に対応していないメーカーがあっても、それだけで製造技術や品質に問題があるとはいえません。対応できる業務の範囲や取引方針が異なると考えるのが適切です。
輸出先国の規制を確認する必要がある
日本国内で販売できる健康食品が、そのまま海外でも販売できるとは限りません。
食品に使用できる原料や添加物、成分の含有量、商品表示、輸入手続きなどの条件は、国や地域によって異なります。
また、日本では食品として扱われる商品でも、販売先では異なる制度の対象になる可能性があります。
農林水産省も、食品の輸出に必要な手続きは、輸出先国や品目、使用原料などによって異なると案内しています。
そのため、海外向けのOEM製造では、商品を作れるかどうかだけでなく、販売先でどのような条件が求められるかを確認することが重要です。
ただし、これらの確認をすべてOEMメーカーが担当するとは限りません。輸入事業者や現地の専門家などと連携して進める場合もあります。
契約・決済・納品条件の調整が必要になる
海外企業との取引では、製造する商品の仕様に加えて、商取引上の条件も明確にする必要があります。
例えば、次のような項目です。
- 契約する企業と代金の支払者
- 取引通貨と支払時期
- 製品の引き渡し場所
- 輸送費や保険料の負担
- 輸出入手続きの担当者
- 不良品や仕様違いが発生した場合の対応
これらは、製造の可否とは別に確認しなければならない事項です。
特に、海外への輸送を伴う場合は、どこまでが製造メーカーの業務で、どこからが依頼者や物流会社などの業務になるのかを整理しておく必要があります。
既存の取引体制や生産計画との調整が必要になる
OEMメーカーによっては、既存の取引先を通じた受注を基本としている場合があります。
また、製造ラインの稼働状況や対応できる製品の種類、製造数量によって、新規案件を受けられるかどうかが変わることもあります。
こうした事情は国内企業からの依頼でも生じますが、海外企業との取引では、さらに輸出関連の確認や連絡体制の整備が必要になる場合があります。
問い合わせを断られた場合も、理由が海外企業であることなのか、製造条件が合わないことなのかは、分けて考える必要があります。
商社やOEMコーディネーターを利用する方法
海外企業が日本のOEMメーカーと直接取引することが難しい場合、商社やOEMコーディネーターを通じて商品開発を進める方法があります。
ただし、商社とOEMコーディネーターは必ずしも同じ役割ではありません。対応する業務や契約上の立場は、会社によって異なります。
商品に合った製造先を探す
健康食品OEMメーカーには、それぞれ対応できる剤形や設備、製造数量などの違いがあります。
錠剤、カプセル、粉末、顆粒、ゼリー、ドリンクなど、希望する商品によって適した製造先は異なります。
複数のメーカーとの取引経験がある仲介会社であれば、商品の条件に応じた製造先の選定を支援できる場合があります。
ただし、紹介されたメーカーが必ず製造を引き受けられるわけではありません。最終的には、商品仕様や数量などの条件を確認する必要があります。
商品開発に必要な情報を整理する
海外企業が日本でOEM製造を依頼する際、最初から原料や処方、包装仕様まで決めているとは限りません。
例えば、「日本の植物由来原料を使った粉末サプリメントを作りたい」という段階から相談したい場合もあるでしょう。
商品企画に対応する仲介会社であれば、販売対象、商品コンセプト、希望する剤形、予算などを整理し、メーカーとの打ち合わせにつなげる役割を担うことがあります。
製造メーカーに伝える条件が整理されていれば、試作や見積もりの相談も進めやすくなります。
関係者との連絡や調整を支援する
OEMの商品開発では、原料供給会社、製造メーカー、包装資材会社、物流会社など、複数の企業が関わることがあります。
仲介会社が窓口になることで、仕様確認や納期調整などの連絡をまとめられる場合があります。
ただし、仲介会社を利用すれば、輸出手続きや現地規制への対応がすべて任せられるというわけではありません。
依頼する前に、対応業務の範囲、契約相手、費用、責任分担を確認しておきましょう。
工場との直接取引と仲介会社の利用、どちらがよい?
どちらが適しているかは、依頼する企業の体制や商品開発の進み具合によって異なります。
工場との直接取引が向いているケース
製造したい商品の仕様がある程度決まっており、日本のメーカーと直接やり取りできる体制がある場合は、直接取引が選択肢になります。
例えば、希望する原料や配合、包装方法が明確で、製造メーカーも海外企業との契約に対応している場合です。
直接取引では、製造条件についてメーカーと直接協議できる一方、原料調達や輸出関連の手配など、メーカーの対応範囲外となる業務を自社で調整する必要が生じることもあります。
仲介会社の利用が向いているケース
一方、日本国内に取引窓口がなく、製造先の選定から相談したい場合は、仲介会社の利用を検討できます。
特に、複数の原料や製造方法を比較したい場合、商品企画から相談したい場合などには、開発全体の調整を支援する会社が選択肢になります。
ただし、仲介会社の利用には手数料などの費用が発生する場合があります。
また、直接取引と仲介会社経由の取引では、見積もりに含まれる業務が異なることもあるため、金額だけでなく支援内容も比較することが大切です。
海外向けOEMの相談前に準備したい情報
日本のOEMメーカーや仲介会社に問い合わせる際は、次の情報を分かる範囲で整理しておきましょう。
- 販売予定国・地域: どこで販売する商品なのか
- 商品コンセプト: 誰に、どのような商品を届けたいのか
- 希望する剤形: 錠剤、カプセル、粉末、ゼリーなど
- 使用したい原料: 原料名や配合の希望があるか
- 包装仕様: ボトル、パウチ、スティック包装など
- 製造希望数量: 初回にどの程度の数量を想定しているか
- 予算と発売時期: 目標とする販売価格や希望納期
- 必要な支援: 原料調達、処方開発、輸出関連の調整など
すべてが決まっている必要はありません。
ただし、販売予定国はできるだけ早い段階で伝えておくことをおすすめします。
商品開発を進めた後で販売国の規制に合わないことが分かると、原料や配合、表示などの見直しが必要になる可能性があるためです。
日本のOEMメーカーを選ぶときの確認ポイント
製造先を選ぶ際は、価格や最小製造数量だけでなく、次の点も確認しましょう。
希望する商品の製造に対応しているか
メーカーごとに、製造設備や得意とする剤形は異なります。
希望する原料を使用できるか、必要な加工に対応できるか、試作が可能かなどを確認しましょう。
また、希望する数量で製造できるかどうかも重要です。原料や包装資材の調達条件によって、必要な発注数量が変わる場合があります。
海外向け商品の対応範囲はどこまでか
海外向け商品の製造実績がある場合でも、どの業務まで対応しているかは確認が必要です。
例えば、製造のみなのか、輸出用の書類作成や物流手配にも対応するのかによって、依頼者が準備すべき内容は変わります。
「海外向けOEMに対応」という案内だけで判断せず、販売予定国と希望する業務を具体的に伝えて確認しましょう。
品質管理や検査について説明を受けられるか
健康食品のOEMでは、製造工程の管理や製品の検査についても確認しておきたいところです。
製造施設の管理体制、原料の受け入れ時の確認、製品の検査内容などについて、どのような対応を行っているか説明を受けましょう。
必要な検査や書類は、商品や販売国によって異なる場合があります。
また、特定の認証を取得していることだけで、すべての販売国の規制に適合していると判断することはできません。
契約相手と責任分担が明確か
商社やOEMコーディネーターを利用する場合は、誰と契約するのかを確認することも大切です。
製造メーカーとの直接契約なのか、仲介会社が製品の販売者になるのかなど、取引の形によって契約関係が異なります。
製品の仕様変更、品質上の問題、納期の変更などが生じた場合に、誰が窓口となり、どのように対応するのかも確認しておくとよいでしょう。
まとめ|日本のOEM取引では、製造能力と取引体制の両方を確認しよう
海外企業が日本の健康食品OEMメーカーと直接取引することは可能です。
ただし、すべてのメーカーが海外企業との直接取引に対応しているわけではありません。
重要なのは、希望する商品を製造できるかどうかと、海外企業との取引に対応できるかどうかを分けて確認することです。
直接取引が難しい場合でも、商社やOEMコーディネーターを通じて商品開発を進められる可能性があります。
その際は、製造先の選定だけでなく、原料調達、商品開発、輸出関連の調整など、どこまで支援を受けられるのかを確認しましょう。
ナチュラリンクでは、健康食品・サプリメントの商品企画から原料調達、OEM製造先の選定、海外向けの商品開発まで、ご相談に対応しています。
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