オメガ3脂肪酸を使ったサプリメントのOEM

開発TIPS

オメガ3脂肪酸、体内で作りだせない必須脂肪酸の中でも特に摂取が推奨されるものですが、食品の中では青魚に多く含まれています。

この必須脂肪酸の中で、n-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)は、栄養機能食品の対象成分として、定められた規格基準を満たすと栄養機能表示ができるようになっています(下限値は0.6g、上限値は2g)。

「n-3系脂肪酸は、皮膚の健康維持を助ける栄養素です。」という表示ですが、魚油を始めとしたオメガ3脂肪酸の研究報告は多岐にわたっていて、オメガ3脂肪酸といえば皮膚の健康維持よりも、≒血液サラサラといったイメージ、連想もより一般的になってきている気がします。

オメガ3脂肪酸を使ってサプリメントをOEMで作りたいという方のために、どのような素材、形状が考えられるか、国内外の製品状況とともにお伝えします。

オメガ3を含む主要素材

最もポピュラーな素材は魚油(EPA・DHA含有精製魚油)ですが、最近では植物由来のオメガ3脂肪酸の摂取についてもよくメディアで取り上げられるようになっています。その代表格といえる成分は、シソ(えごま)油やアマニ油(フラックスシードオイル)といった植物油に含まれるα-リノレン酸があります。

α-リノレン酸を含むオメガ3脂肪酸は、体内で合成できないため必須脂肪酸に分類されていますが、α-リノレン酸は体内に入ると、その一部がEPA→DHAに変換されます。只、変換効率が比較的悪いことから、ある種の条件が必要になっていると思われます。オメガ3脂肪酸自体、熱に弱いため、エゴマ油やアマニ油をサラダ等にかけて摂取したり、魚油と同様にソフトカプセルに充填すれば味の問題も気にならないです。

商品を作る際にまずどんなオファー(ベネフィット)を与えられるか、それに基づく素材選定やターゲット訴求を考える必要があります。例えば、魚油一つとっても、今まではイワシ由来のものばかりだったのが、サーモン由来だったり、はたまた魚からプランクトン=クリル(オキアミ)由来や藻由来のオメガ3脂肪酸もあります。ここで注目したいのは、精製方法や原産国、DHA/EPAの規格値です。

どんな形態のサプリメントにできるか?

サプリメントという括りでしたら、オメガ3脂肪酸を含む原料はオイルですので、お勧めはソフトカプセル一択になります。只、 脱臭化した魚油含有のオイルパウダーを使った打錠品も可能ではありますが、オメガ脂肪酸の摂取量が落ちてしまいます。また、5ml程度の分包にオイルを100%充填するのも可能です。

このオメガ脂肪酸類はより食品に近い形態で商品化されています。アメリカやカナダなどの先進国では、魚油を含有したソフトチュー(ハイチューのようなもの)として販売されています。スーパーのレジ前に置かれるような、子供向けお菓子感覚で、日本でいうなら「コラーゲングミ」みたいな感じです。

日本のグミなどのお菓子の場合、他の原材料やサイズ、価格との兼ね合いから魚油等の機能性成分はごく微量というのが当たり前でしたが、ソフトチューという形態のメリットは、機能性成分をちょこっと飾り程度入れるのではなく、高容量(ハイドーズ)なところです。つまり一般のお菓子ではなく、「機能性菓子」。

日本でも最近「機能性おやつ」というコンセプトで商品開発が進んでいますが、欧州市場では、クランベリーやブルーベリー等に含まれる抗酸化成分・アントシアニンを含むガムやキャンディ、チョコレート、飲料などで商品開発がどんどん進んでいます。日本でもスナック類やチョコレートなどでこの流れを汲み取ることができます。

ごまかしのない本物のOEM商品を作る

魚油を由来としたオメガ3脂肪酸サプリは相変わらず世界的にも人気ですが、日本では食品業界が多数EPAやDHAを使用することになり、これらの成分の認知度は比較的高いですが、食品やおやつで使用できるのはごく微量です。。

また、たいして量が入っていないのに、1日あたりではなく1袋あたりの含有量を訴求しているケースもよく見受けられます。こういったケースはまず他社競合品のプライシングを参考に「価格」ありきで戦略設計しています。商品力の1つに価格は重要な要素ですが、品質を売りにする切り口として、鮮度を売りにしたトークもあります。魚油の欠点として腐敗しやすい=酸化しやすいということがありますが、イワシ等を捕獲後に〇〇時間以内にオイル精製⇒ソフトカプセル化といったストーリーです。ローヤルゼリーでもありますね。

主要成分のDHA/EPAやα-リノレン酸、単体だけの含有量で競うパターン、サポート成分を組み合わせて相加作用をうたうパターンがありますが、いずれにしても、原産国などのトレーサビリティや規格・特性を把握しつつ配合に科学的なアプローチと根拠をおさえたいところです。

ロットと予算

最終的に気になるのは、どの程度のコストがかかるのかということですね。

最小ロットはソフトカプセルの場合、10万粒~というのが基本です。1日の摂取目安量を仮に4粒とした場合、1本(1か月分)120粒入りとして、約833本です。しかしながら、製造ロスが生じますので、大体約800本とみておいてよいでしょう。

コストは、①ソフトカプセル製造費+②充填梱包費+③パッケージ(容器包装)費用となり、最もシェアを占めるのが①の製造コストです。中でもどの原料を使用するかで大きく変わってきます。かなり大雑把に言うなら最低予算は50~100万程度です。

ゼロから完全オリジナル処方の商品を作るとコストも時間もかかる…という方は、既に製造されているソフトカプセルを購入して、パッケージだけをオリジナルにするという方法もあります。コストと時間を抑えられるのはメリットですが、他の商品と違いを作りづらいのがデメリットです。

既に製造済みのソフトカプセル(バルク品と呼びます)を組み合わせたアソート品を作るというのもありですが、売りやすいサプリメントを作るなら完全オリジナル処方のOEMをお勧めいたします。

 

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