小ロットってどれくらいですか?

開発TIPS

「打錠」「造粒」「金型」「ロット」「OEM」等など。

今では当たり前になった言葉、小ロット生産ですが、初心者の方は「ロットって何ですか?」という話だと思います。

ロットは、簡単にいうと生産単位、数量、もう少し詳しくいうと、同一仕様の製品や部品を生産単位としてまとめた数量となります。

買う側としては、少ない量で発注したほうが、在庫リスク、保管上のリスクも減り、さらに資金的にも負担が軽いので、小ロット生産(小ロット)の方が都合が良いわけです。

このロットですが、健康食品や化粧品に限らず、商品が多種多様になってきているので、小ロット対応可能な工場は増えてきてます。

では、サプリメント、健康食品をオリジナルで作る場合、どのくらいが最小ロット(発注単位)になるでしょうか?

「ロットはいくつですか?」と聞かれる場合、製品単位なのか、粒単位なのかでニュアンスが変わります。粒(カプセル)の数、○○万粒、あるいは原料の仕込み量で○kgといった形で提示されますが、イメージがわかりづらいので、仮で1本あるいは1個(1か月分)とした場合に何粒入り、あるいは何g入りかを想定しておくと、換算しやすいと思います。

商品の形状、配合、内容量にもよりますが、最も少ない単位だとハードカプセルで大体30,000粒位から製造可能です。1本を大体1か月分で商品設計するケースが多いので、1か月分➔1日の摂取目安量を何粒で設計するかで変わりますが、仮に1日4粒、1か月分120粒程度にした場合、単純計算で30,000/120=250本となります。ただし、製造上のロスが必ず生じますので、実際の出来上がりは250-α(ロス分)となります。
この製造ロットが少ないと、ロスが出れば出るほど単価が高くなるという難しさもあるで、生産効率を上げるために実際にかかる時間と手間を考えて最も経済的な数量を求めることがあります。それがいわゆる経済ロットです。
そのため、1,000、2,000、3,000個で・・というように数字を刻むほか、最小(最低)ロットと経済ロットで・・・という見積依頼の方法もあります。

現在、OEMで小ロット対応しやすい形状、製品は、

・ハードカプセルタイプの健康食品、サプリメント

・顆粒粉末のアルミパウチ袋入り
・シャンプー&トリートメント
・スキンケアオイル、クリーム

などです。

ただ、いきなりオリジナル商品を作らなくても、まずは既存品のバルク(カプセル等容器以外の中身部分)を活用して、外側(容器包装)だけ変更する方法もあります。この場合は、包装袋などのパッケージを充填包装工場に支給する形になりますが、100個(本)くらいから提供できるものもあります。

また、さらに裏技的なものとして、オリジナル配合の試作品をそのまま販売用商品に活用してテスト販売をしてみるということも場合によっては可能です(但し、試作ロット品を何度も販売用に用いることはできません。あくまで初回のみです)。この場合ですと、商品設計によっては、初回発注ロットが50袋程度という極小ロットでオリジナル商品を作れることができてしまいます。

通常複数の原料を混合し、造粒という工程で小さな顆粒状にしてから充填という流れが多いですが、単一原料で瓶や袋にただ充填するだけということもあります。美容オイルの生詰めが良い例です。この場合、極端に言えば、10本、20本でも物理的に充填することは可能ですが、単価を考えると実際100本程度~になるでしょう。

しかし、自分の思い入れだけで先に作ることを優先的に考えるよりも、何か売れるのか、求められているのか、市場ニーズを考える方が失敗は少ないです

ただ以前ほど、OEMの壁だったロットの負担は少なくなってきているので、個性、差別化を求め、早い段階からブランディングを意識されている場合は、最初から既存品を使わず、オリジナル商品でいった方が良いでしょう。

 

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