中国にサプリメントを輸出する方法とは?越境ECとは異なるBtoB戦略と流れ!

輸出入

世界最大の中国市場に商品を売り込みたい!そう考えている企業は山ほどいると思います。ではサプリメント(健康食品)を実際に輸出したいけど、どうやったらいいの? 越境ECが流行っているけど、現地のECサイト上のモールを持つのもハードルが高い、かといって代理で販売してくれるパートナーもいない。。そんなことを考えている企業経営者あるいはマーケティング担当の皆さま。

中国輸出に関しては、色々な情報が飛び交っていると思いますが、今回は他ではあまり聞けない「中国にサプリメントを輸出する方法」についてご説明いたします。

ちなみに、ご紹介する方法(メソッド)は 机上の空論ではなく、 実際に弊社はもとより、数々の輸出(中国からみたら輸入)実績があるものです。なお、黄金の正攻法も含めていくつかパターンがありますので、順次解説します。

サプリメントを中国に輸出する前提条件

中国に限った話ではありませんが、各国には食品、医薬品、食品添加物といった区分および規制があります。グローバルスタンダードと言われて久しいですが、日本では食品扱いでサプリ(健康食品)として販売できるものでも中国では医薬品(生薬)扱いになってしまうものがあります。サプリメントとして輸出できないものの一例を挙げます。

例)プラセンタ、冬虫夏草、CBDオイル、アミノ酸全般、クルクミン etc...

アミノ酸はもっぱら日本ではあらゆる食品でよく使用されていますが、中国では区分が異なります。また、中国も日本と同様食薬区分の改正などで今まで医薬品扱いになっていたものが食品として利用できるようになることがあります。最近の例では霊芝が挙げられます。CBDオイルは、以前から弊社にも問い合わせが多く寄せられており日本では条件付きで輸入できますが、中国では現状NGです。

もう1つの前提条件として、東日本大震災の影響による製造地の規制です。2020年3月現在、以下の10都県で生産されたものは中国に輸出できません。また、原産地証明書(管轄農政局発行)が必ず必要になります。

NG地域)東京都、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、福島県、宮城県、長野県、新潟県

サプリメントの輸出パターン(B to B)

越境ECでの展開は、基本的に中国の現地ECモール上に店舗を構えて(あるいは代理店に販売委託して)、末端消費者に販売するモデルですので、ここでは省きます。最も活発なプラットフォームではありますが、プロモーション費用も相当かかることを覚悟して投資できる会社にとっては良いかもしれません。

また、現地法人がある会社でしたら、KOL(Key Opinion Leader)を絡めたB to B to Cというモデル設計も可能です。基本的にB to Bの輸出パターンは以下の3パターンで一般貿易になります。

ブルーハット(保健食品)としてCFDAに登録申請し、輸出

いわゆる日本でいう特定保健食品(トクホ)のように特定の保健機能(免疫力増強、抗酸化、記憶力改善等多数)についてうたえるもので、様々な販売チャネルで販売できるのがメリットですが、デメリットは許可が下りるまでかなりの労力、時間、コストがかかります。

中国企業のみならず外資企業でも登録申請が可能ですが、2017年末以降、外資企業で新規の許可が出ていないようです。精通している専門家に委託するのが手っ取り早いですが、コンサルティング・代行費用もかかりますので、現時点では不確実性のある区分であまりお勧めしません。他社事例ではネイチャーメイドが挙げられます。

オレンジハット(Record)としてCFDAに登録申請し、輸出

数年前に新しくできた区分で、ビタミン・ミネラルのみが対象となる制度で、オレンジ色の帽子のロゴマークを商品に付帯することができます。ブルーハットに比べて登録申請の手間やコストなどのハードルが下がっていますが、類似の他社商品に対してどのように訴求し、提供するかが課題となります。他社事例ではアムウェイ社のニュートリライトが挙げられます。

オレンジハットについては、ほとんど知られていないと思いますので、申請に関する詳細については、後日別記事としてアップします。

一般食品として輸出

この区分での輸出がおそらくあまり知られていないメソッドです。今まで中国にサプリメントを輸出したい場合、飲料や顆粒状などの食品形状であれば食品として輸出しやすいと言われていました。つまり、ハード及びソフトカプセルや打錠品は輸出できない…と考えられていたと思います。

しかしながら、弊社のルートでしたら、内容物と製造加工地さえ問題なければ、形状問わず輸出が可能です。もし販売先はあっても通関できるか不安…、販売先はまだないけれども自社商品を輸出したい…という方は直接こちらからお問い合わせください。メリットは、余計なコストと時間をかけずに輸出できることです。デメリットは、あくまで商品ですので、パッケージ上には栄養及び保健機能を表現できない点です。

中国輸出するための販路開拓の方法

「さて、輸出するための制度、区分はわかった。でも肝心の販路が中国にない…」そんな声が聞こえてきそうです。現地で販売のため関連会社がある場合は良いですが、多くの中小企業は販路開拓が課題です。そのための鉄板の方法の1つが現地の栄養/健康関連の展示会に出展することですが、日本のそれと比べものにならないスケール感から考えても一度は出展を検討してみるのも手です。

お勧めは アジア最大の自然健康食品に関する展示会である国際自然健康栄養エキスポ(NHNE)です。年2回開催されていますが、ここで大事なのは準備と手順です。せっかく展示会に出展するために行くのだったら、事前に現地企業なり団体にアポイントをとってあらかじめ商談をセッティングしていくと効率が良いです。

また、中国で流通できるかわからない、登録申請が済んでいないものを展示したところで、商談が先に進みづらいのは明白です。そこでいまいちど冒頭に挙げた前提条件をクリアしているかの確認が必要になります。弊社でも輸出できるかどうかの商品調査から始まり、NHNEの出展サポートや販路開拓のためのアポイント取得代行などのサービスを提供しています。

まとめ

この記事ではポイントだけをお伝えしましたが、中国ではオンライン(EC)販売全盛ですが、アナログかつクローズドの流通も存在しています。展示会場では、KOLによるブロードキャスティング販売(ライブで生放送の実演販売)も行われており、影響力の度合いといかに露出を上げるかが課題となります。

残念ながらKOLを使った実演販売には現地法人かつコスト等の面でハードルが高いかもしれませんが、百貨店等でのJapan フェア、産品展で地道に露出を上げて販売力をつけた会社もあります。

なお、サプリ(健康食品)は素材のトレンドがあるので、商品の選択とタイミングが重要です。ブランド力がなければ…と考えなくても良いです。中国では青汁→酵素→乳酸菌といった変遷がみれます。共通しているのは、美容・ダイエット訴求ものであること。やはりこの市場は永遠のテーマですね。

 

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