中国の保健食品-オレンジハット申請について

輸出入

中国にサプリメントを輸出し、現地で流通・販売するためには、CFDA(中華人民共和国国家食品薬品監督管理局)に商品の登録申請が必要になります。現地の区分名称では、「保健食品」になります。

以前までは青い帽子のロゴマークが製品本体に付帯された「ブルーハット」として知られていましたが、 約4年前に新たな区分として「オレンジハット」ができました。このオレンジハットは、ブルーハットに比べるとハードルが低くなっています。

本記事では、日本でほとんど知られていないオレンジハットの製品区分について、メリット・デメリット、申請の流れ、必要となる書類等についてご紹介します。なお、2020年3月時点での情報ですので、今後内容が変更される場合があることを予めご了承ください。

オレンジハットとは?

そもそもオレンジハットは何ぞや?ということですが、端的に言うと「ビタミン及びミネラルに限定し、一定の配合(含有量)・品質及び安全性基準を満たした保健機能を有する食品」といえます。

紛らわしいのは、ブルーハットと明確に区別するために当初オレンジ色の帽子ロゴマークが使用されていましたが、現在はオレンジハット区分の製品でも、"ブルーハット"と同じロゴマークが付帯されています。

また、現地では異なる呼称として、ブルーハット=登録(register)、オレンジハット=記録(record)として区別しています。

ブルーハット・オレンジハットをまとめた保健食品の法律上の定義は、 「特定保健効能もしくはビタミンおよびミネラル補給を目的とした食品。特定のグループ向けの食用に適しており、体の調整機能を有する。疾病治療が目的ではなく、急性、亜急性、もしくは慢性的に人に危害を与えない」 となっています。

つまり、特定保健効能食品=ブルーハット、ビタミン及びミネラル補給食品=オレンジハットと区別できます。

ブルーハットとの違いは?

オレンジハットのブルーハットとの相違点は、【申請期間】【コスト】【対象となる成分】等です。以下の表を参照ください。

ブルーハットは、オレンジハットにはない 27 種類の効能のうち1つ、あるいは複数が認められる保健食品 です。

27 種の保健効能は以下の通りです。

1.免疫力増強、2.血脂低下、3.血糖低下、4.抗酸化、5.記憶能力改善、6.眼精疲労の緩和、 7.鉛分排出促進、 8.のど清涼、 9.血圧降下、10.睡眠改善、11.泌乳促進、12.体の疲労緩和、13.酸素不足耐性増強、14.放射能保護、15.ダイエット、 16.成長発育改善、17.骨密度の増強、18.貧血改善、19.化学性肝臓損傷補助保護作用、20.痤瘡(ざそう)除去、21.肝斑(かんぱん)除去、22.皮膚の水分改善、 23.皮膚の脂質改善、24.腸内菌の調整、25.消化促進、26.便通改善、27.胃腸粘膜損傷補助保護功能

保健食品と一般食品の区別は?

  1. 保健食品は特定の保健効能を強調する。一般食品は栄養成分を強調する
  2. 保健食品には一定の摂取量を規定する。一般食品には通常食用量に関する要求がない
  3. 保健食品はその保健効能の特定体質への適合性の有無による区分がある。一般食品は原則区分しない

 上記にみられるとおり、一般食品はラベル上に栄養成分の強調表示や保健効能について一切うたえないというデメリットがあります。

結局、オレンジハットよりブルーハット?

ブルーハットの保健効能の訴求メリットは、オレンジハットよりもはるかに大きいですが、同時に同じくらいリスクもあります。登録申請のための時間と手間、コストをかけても申請許可が下りる可能性は、現在のところは未知数です(外資系ブランドで新規に許可が下りたというニュースを最近聞かないため)。

そういった背景から、オレンジハットにご興味のある会社はチャレンジを応援します。

 

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