WELLNESS FOOD JAPAN 2026 展示会レポート
2026年8月4日から6日まで、東京ビッグサイトで開催された「WELLNESS FOOD JAPAN 2026」を訪問しました。
WELLNESS FOOD JAPANは、健康食品やサプリメント、機能性食品、オーガニック・自然食品、スーパーフード、高たんぱく食品など、健康産業に関わる食品やサービスが集まる専門展示会です。
会場には食品だけでなく、OEM・ODM、包装資材、色素・香料、品質分析、商品企画・開発など、商品づくりに関わる幅広い展示が集まっていました。
今回、数ある展示の中でも特に目に留まったのが、フリーズドライを活用した食品と、海外のユニークな食品素材です。
展示会で実際に見て、サンプルを持ち帰って試してみると、「この素材なら、どんな商品がつくれるだろう?」と、さまざまなアイデアが浮かんできます。
今回は展示会の様子とともに、そこで見つけた素材から、これからの商品づくりの可能性を考えてみます。
フリーズドライって何?
会場で目を引いたもののひとつが、色鮮やかなフリーズドライ商品です。
いちごやパッションフルーツ、パイナップル、レッドドラゴンフルーツなど、さまざまな果物がフリーズドライに加工されていました。
そもそも「フリーズドライ」とは、どのような加工方法なのでしょうか。
フリーズドライは、食品を凍結させたあと、真空に近い環境に置き、凍った水分を液体に戻さず直接水蒸気にして取り除く乾燥方法です。この現象は「昇華」と呼ばれます。
一般的なドライフルーツとは製法が異なるため、フリーズドライの果物は軽く、サクサクとした独特の食感になるものもあります。
また、水分を大きく減らせることから保存性を高めやすいことも特徴です。ただし、乾燥後の食品は湿気の影響を受けやすいため、実際の商品では防湿性のある包装なども重要になります。
「果物を乾燥させる」と聞くとシンプルですが、加工方法が違えば、食感や商品としての使い方も変わってくるのです。
実際に食べてみました
会場では、フリーズドライのいちごやパッションフルーツなどのサンプルをいただき、社内でも実際に試してみました。
まず印象的だったのは、サクッとした軽い食感と手軽さです。
生のフルーツなら、洗ったり、皮をむいたり、切ったりする必要があります。持ち歩く場合には保存方法も気になります。
その点、フリーズドライなら袋から取り出してそのまま食べられる商品もつくれます。
仕事中に少しつまんだり、外出先に持って行ったりと、「手軽に果物を楽しみたい」という場面との相性は良さそうです。
一方で、実際の商品として考えるなら、価格とのバランスも大切です。
フリーズドライは加工工程が加わるため、商品によっては生のフルーツより割高に感じることもあるでしょう。
「それなら生の果物を食べたい」と考える人もいれば、「持ち運べて、この食感を楽しめるならフリーズドライがいい」と感じる人もいます。
つまり商品開発では、
「フリーズドライにしたこと」そのものではなく、「フリーズドライだからこそ、どんな価値を提供できるのか」
まで考える必要があります。
手軽さなのか、食感なのか、携帯性なのか。それとも別の商品に使いやすい素材としての価値なのか。
加工方法ひとつからでも、商品のコンセプトは大きく変わります。
パウダーにすると、もっと広がる
今回の展示会でもうひとつ興味深かったのが、さまざまな食品素材をパウダーとして活用する提案です。
会場では、レッドドラゴンフルーツ、アセロラ、サトウキビ、モリンガ、パープルヤムなど、普段はあまり粉末の状態で目にすることのない素材も紹介されていました。
果物や植物をパウダーとして扱えるようになると、そのまま食べるだけではない商品展開が考えられます。
たとえば、スムージーや粉末飲料、プロテイン、焼き菓子、スナックなど。
素材によっては、特徴的な色を商品の見た目に活かすという考え方もあります。
もちろん、実際の商品化では味や香り、溶けやすさ、加工適性、配合量などの確認が必要です。
それでも、
「果物として食べる」
という発想から、
「食品素材として使う」
という発想に変えるだけで、商品づくりの選択肢はぐっと広がります。
紫色が印象的な「Ube(ウベ)」
今回見つけた素材の中でも、特に印象に残ったもののひとつがUbe(ウベ/パープルヤム)です。
Ubeは、学名を「Dioscorea alata」とするヤムイモの一種で、熱帯・亜熱帯地域に広く分布しています。
特徴は、なんといっても鮮やかな紫色。
パープルヤムについては、複数のアントシアニン系色素が含まれていることが研究で報告されています。
アントシアニンは、植物の赤色や紫色、青色などに関係する天然色素の一種です。
パープルヤムの色素については、天然由来の色素として食品へ活用する可能性についても研究されています。
商品開発という視点で見ると、この「紫色」はとても興味深い特徴です。
たとえば、紫色を活かしたドリンクやスムージー、お菓子、粉末食品など。
味や機能だけでなく、「見た瞬間に気になる」商品をつくるための素材として考えることもできます。
日本では、いちごやりんごのように日常的に食べる素材と比べると、Ubeはまだ馴染みが深いとは言えません。
だからこそ、
「この紫色は何だろう?」
「どんな味なんだろう?」
という興味につながる可能性があります。
もちろん、珍しい素材だから売れるとは限りませんが、まだ広く知られていない素材を知り、その特徴をどう商品に活かせるか考えることも、新しい商品づくりのきっかけになります。
私たちも実際Ubeパウダーを試食してみたのですが、ほんのり甘く、パウダーなのに若干の粘り気を感じるところが、やはりヤマイモ科の芋だと感じました。
海外原料は何を見て選ぶ?
今回の展示会では、ベトナムをはじめ海外由来のさまざまな食品素材を見ることができました。
海外には、日本ではまだあまり知られていない果物や植物、加工食品がたくさんあります。
商品企画を考える立場からすると、とても魅力的です。
しかし、ここで大切なのが、
「珍しい素材を見つけたから使ってみよう」だけで決めないこと。
実際に商品化する場合には、原料の産地だけではなく、製造工場や品質管理、原料規格、供給体制なども確認する必要があります。
たとえば、
・どのような環境・工程で製造されているのか
・どのような品質管理が行われているのか
・原料の規格や成分は安定しているのか
・継続的な供給が可能なのか
・日本国内で使用するうえで確認すべき点はないか
といった視点です。
「○○産だから良い」「○○産だから不安」と産地だけで判断するのではなく、原料そのものと、製造・品質管理の仕組みを確認して判断することが大切です。
これは海外原料に限った話ではありません。
商品に使用する原料を選ぶときには、「どこで採れたか」と同時に「どのようにつくられ、どのように品質が管理されているか」を見ることが、安定した商品づくりにつながります。
展示会から、新しい商品へ
今回のWELLNESS FOOD JAPANでは、フリーズドライフルーツや海外素材のほかにも、お茶、コーヒー、プロテインなど、さまざまな商品や素材を見ることができました。
展示会を歩いていると、
「こんな素材があるんだ」
という発見だけではなく、
「これを別の商品に使ったら?」
「違う素材と組み合わせたら?」
「パウダーにしたら?」
「今までとは違うターゲット向けにしたら?」
と、その先のアイデアまで広がっていきます。
すぐに商品化につながる素材もあれば、今はまだ「おもしろそう」で終わる素材もあります。
それでも、実物を見て、触れて、時には味わってみることから、新しい商品づくりのヒントが生まれることがあります。
展示会は、完成した商品を見る場所であると同時に、「次の商品」の種を探す場所でもあります。
今回出会った素材が、これからどんな商品につながっていくのか。
ケンコーマーケットでは、今後も国内外の健康食品や新しい素材、加工技術などに目を向けながら、商品づくりにつながる情報をお届けしていきます。
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