南アフリカ在来種であるマルラツリーは、背高い広く横に広がった落葉樹で、丸い樹冠や特徴的なグレーのまだら模様がある樹皮をもつ単幹木です。マルラの木は、数千年間アフリカ南部の生活の中心になっていた証拠が確認されています。どの木の部分も、国内向けの需要から幅広い用途に利用されています。
目次
マルラオイルとは?
マルラの木になる果実の種から搾ったオイルがマルラオイルです。
木はアフリカ南部を中心に広く自生しています。
・植物学名: Sclerocarya birrea (スクレロカリア属)
・科:Aracardiaeae (マンゴー、カシュー、ピスタチオを含む)
・一般名称:ジェリープラム、ネコのとげ、桑実胚、サイダーツリー、マローラナッツ/プラム
マルラの果実です。
皮がかなり硬く、上記写真のように石に叩きながら割って中身を取り出します。
マルラフルーツの利用方法
マルラの果実は食べることができ、地場のビールに醸造されています。マルラリカーはとても人気で、世界中で商業的に利用されています。ナッツは風味を作るために使われ、樹皮は医療用途で幅広く利用されています。また、種子からとれるオイルは、そのスキンケア特性により高い商業的価値を有しています。しかしながら、オイルはとても採るのが難しく、非常に硬い殻を割ることで、オイルが豊富な仁(核)をかき集めることができます。
元々乾燥した環境から皮膚を保護するため、オイルは保湿剤として、主にアフリカ南部の女性たちに長年使われてきました。また、科学的研究により、マルラオイルの物性が立証されてきました。一言でいうならば、マルラオイルは、肌を癒し、みずみずしい潤いを与えてくれ、抗酸化物質とオメガ6、9のような必須脂肪酸が豊富です。化学溶媒を使用しないコールドプレス製法により搾油されていますので、自然派志向の方にも安心してお使いいただけます。
なお、オイルはスキンケアだけでなく、現地では通常の調理油としても使用されているほか、栄養補助食品的な扱いもされています。アルガンオイルと同様、食品原料として日本でも使われていくかもしれません。
マルラオイルの特徴と機能性
マルラオイルはとても肌なじみ、浸透性がよく肌がしっとりしてベタつきません。乾燥や肌荒れしやすい方向けで、潤いの維持、なめらかな肌、皮膚の赤みを減らすことに適しています。実際、使用者の方からのフィードバックで、肌がしっとり、すべすべになった!という声を頂いています。欧米では多くの化粧品に使用されていてポピュラーな素材ですが、日本ではまだ一般的な認知度は低いです。
少しナッツ系の香りもありますが、気になるレベルではありません。オイルは透明で淡く、黄色がかった茶色をしています。健康的な肌に必須の成分であるオレイン酸が豊富です。マッサージオイルや石鹸のベースとして髪や地肌をケアします。他のどんなナチュラルオイルよりも優れたパフォーマンスを発揮し、非常に安定的です。また、目の周りでも安全に使用することができるため、全身に使える美容液としてもお勧めです。
オーガニックマルラオイルの酸化安定性はオリーブオイルの約10倍
抗酸化物とオレイン酸が豊富で非常に安定しているので、マルラオイルは、アフリカで最も素晴らしいスキンケアオイルの1つです。皮膚表面を保護するコーティングの役割を持つパルミトレイン酸を豊富に含んでいるので、乾燥肌用の製品に配合するのはとても良い選択です。
マルラオイルは、素早く吸収し、皮膚に潤いを与えます。また、皮膚のトラブルを癒し、赤みを減らし、表皮の水分蒸発を防ぎ、皮膚のなめらかさを向上し、髪を整えます。現地では、妊娠線(ストレッチマーク)を予防するためにも使用されています。
世界的に人気の出ているこのオイルですが、中でもオーガニック認定されたマルラオイルは希少性が高く、酸化しにくさを意味する酸化安定性がオリーブオイルに比べて約10倍高いことがわかっています。オーガニック=未精製品ですので肌に合わない方はいるかもしれませんが、少しでも使ってみれば使用感の良さがわかるのが特長です。マッサージオイル、美容液、アンチエイジングフェイスクリーム、リップスティックの成分と幅広い用途が期待できます。
マルラオイルは、アルガンオイルよりも優れている!?
化粧品業界を席巻したアルガンオイルに比べて、マルラオイルは国内においてはまだ成熟した市場状況ではありません。モロッコ産のアルガンオイルと違い、マルラオイルはアフリカ南部に生産拠点が点在していますので、安定供給の不安はありませんが、ことオーガニック認定品に限れば希少性が高く、先に始めた会社がより有利です。
さて、2つのオイルのどちらが優れているのか? 海外の専門メディアで比較されていますが、スキンケアにおいて重要な脂肪酸にフォーカスして比べてみます。この脂肪酸の違いが2つのオイルを比較するうえでの鍵となります。それがオレイン酸(オメガ9)とリノール酸(オメガ6)です。一般的に前者は乾燥肌向き、後者は脂性肌向きといわれています。
アルガンオイルは、オレイン酸 (44-55%) とリノール酸 (28-36%)の良いバランスを持っています。
マルラオイルは、オレイン酸がとても豊富 (70-78%)で、 リノール酸 (4-9%)は少な目です。
次にトコフェロール(ビタミンE)を比較します。
アルガンオイル: 60 - 90 mg/100 g (ビタミンE、うち 90 %はγ-トコフェロールとして)
マルラオイル: 13.7 mg/100 g (ビタミンE 、ほぼγ-トコフェロールとして)
最後にフィトステロール(植物に含まれるフィトケミカル)です。
アルガンオイル:ステロール量として130 - 230 mg/100 g (ほぼ ショッテノールで、肌や髪、爪を癒し、再生を促進)
マルラオイルは:ステロール量として 287 mg/ 100 g(β-シトステロールとして60%、5-アベナステロールとして16%含有(抗酸化物として働くことで知られている)
結論として、どちらのオイルが優れているかではなく、それぞれの肌に合ったものをチョイスするのが良いです。通常の肌〜にきびやオイリー肌が気になる方はアルガンオイルを、乾燥肌や肌のくすみ、老化が気になるかたはマルラオイルをお勧めします。
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