発展途上国と妊娠線クリーム市場
少子化&高齢化社会の日本と違い、出生率が高く平均年齢が若いASEANの発展途上国では、若いお母さんやベビー向けの市場が熱いです。安心、安全が特に気になるこれらの市場では、日本製のプレゼンスが高まって良いのですが、日本では薬機法等の規制で訴求方法に困るところです。特にノーブランドで、認知度が低い場合、パッケージデザインでいかに惹きつけるかというのも重要な要素の1つですが、以前カンボジアの首都・プノンペンのスーパーで妊娠線予防クリームが売られているのをみつけました。
ショッピングセンター内にあるスーパーなので海外製品も沢山置かれていますが、キャッチ写真の商品はおそらくローカル製品です。パッケージでお腹の大きくなった女性のイラストが使われており、どういう商品なのか想像がつきますが、さすがに日本でこのデザインは難しいです。
ちなみに内容量は50gで、販売価格はUS$3弱。約300円。値段も驚きですが、驚くのはこの商品、ワゴンの中に沢山置かれていて、スーパーの通路中央に場所を設けられていたところです。まるで本日の「特売品」のような扱いですが、スーパーは食料品がメインで平均年齢が20代と若い国なので、妊婦さんもそれだけ多く、需要が多いのでしょう。しかし、安価なので実際の使用感は良くても、問題は本当に妊娠線予防、対策となる商品になるかどうかです。
妊娠線の発生率と世界に伝わる予防ケア
この妊娠線、妊婦の40%以上に発現するといわれています。予防として急激に体重を増やしすぎないことが重要ですが、どんなに予防を行っても100%防ぐ方法は今のところないようです。
妊娠線対策として販売されているクリーム(妊娠線クリーム)も千差万別、価格もピンキリで専門家の意見も分かれますが、日本製品の場合でいえばコラーゲンやヒアルロン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなど肌のハリを向上させる成分を入れているので、保湿剤の代わりに使用してもよく、ケアを行わない人に比べ、行った方のほうが、妊娠線の発生率や度合いが低いとも言われています。
世界に伝わる妊娠線の予防ケアとしても、鍵となるのはやはり「保湿」。植物療法(フィトテラピー)としては植物オイルに注目。紫外線や乾燥による影響が強いアフリカ大陸では、様々なオイルが現地の女性に重宝され、使用されています。妊娠線だけでなく、ほうれい線など、線・シワの悩みは深いです。アトピーの跡にも線、シワができます。日本ではクリームという剤型がポピュラーかもしれませんが、海外では100%植物性のオイル単品あるいはブレンドオイルがよく見かけられます。
妊娠線を防ぐ!? お勧めエッセンシャルオイル
妊娠線は、時間経過とともに通常は消えていくものです。妊娠線を完全に取り除く手当てはありませんが、外観を目立たなくさせたり、テキスチャーを減らす助けになるものはあります。本記事は、妊娠線の緩和をサポートする美容液を作りたい方のために、エッセンシャルオイルの利用について参考になるものをお伝えします。
いくつかのエッセンシャルオイルは、妊娠線に対して伝統的かつ学術的にも明らかな効果を示してきました。より大規模なサイズの研究が求められていますが、こちらは今まで研究で示されたものからピックアップします。
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- アルガンオイル
- マルラオイル
- バオバブオイル
アルガンオイル
モロッコ産で有名なアルガンオイルですが、高い抗酸化作用や保湿作用で知られていますが、2016年のある小さな研究によると、アルガンオイルは、皮膚の弾力性を高める働きがあることが示唆されています。急激な皮膚の伸びによって皮膚の内側で起こる断裂によって妊娠線ができますが、皮膚真皮のコラーゲンを束ねる弾性組織・エラスチンが切れて、ひび割れのような状態を起こします。アルガンオイルを局所に塗るのはもちろん、食用のアルガンオイルもあり、飲用、塗布両方からのアプローチは、より弾力性が出るという報告もあります。
マルラオイル
南アフリカ、ジンバブエ、モザンビーク等を産地とするマルラフルーツの種子から抽出されるオイルで、食べ物の一部であり、様々な料理や化粧品として、皮革の処理などにも使用されています。また、水の代わりにボディローションとして、あるいは乳児用のマッサージオイルとしても使用されてきました。テクスチャーが軽く速吸収性でありながら、抗酸化物質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素や脂肪酸が豊富で、信じられないほど水分を含んでいます。これらの特性から、傷跡や妊娠線の出現を抑えるのに役立ち、容易にオイルが吸収されて栄養を与えられることで、弾力性のある、弾力性のあるしっかりした肌を保ちます。マッサージオイルとして使用すると理想的です。肌を美しくしながらリラックス効果があります。
バオバブオイル
生命、栄養の象徴でもあるバオバブの樹木は、アフリカ各地でみられ、童話「星の王子さま」にも出てくることで有名です。ハーブ療法や化粧品、食品など用途は幅広く、長く親しまれてきています。バオバブフルーツの種子から搾るオイルには、豊富なミネラルやビタミンが含まれおり、健康上のメリットがあります。バオバブオイルは、皮膚の弾力性を改善し、皮膚の外層を軟化させ、栄養を与えます。また、妊娠線の出現を減らし、慢性の挫傷、乾癬、湿疹、黒点などの皮膚疾患を緩和することができます。バオバブオイルを化粧品に使用するには、さまざまな方法があります。その保湿性のため、バオバブオイルはフェイスクリームやボディローションなどのスキンケア製品に優れた違いをもたらし、サンケアやマッサージオイルに配合することもできます。
オイルブレンドでもクリームに添加してもOK
これらのアフリカンオイルは、どれも抗酸化力が高く安定性に優れますのでオイル単体でももちろん使用できますが、マッサージを併用しながら使うオイルですので、香りも大切な要素です。アルガン、マルラ、バオバブともにナッツっぽい独特の匂いがします。香りを楽しむ、「癒し」効果を高めるには、お好きなエッセンシャルオイルをブレンドして使用するのがお勧めです。しかしながら、日本人はどちらかというとオイル=べたべたするという先入観、抵抗感を持たれている方が多く、湿度の高い日本の気候では、クリームの方が使いやすさの点でより支持を受けるかもしれませんね。しかしながら、オーガニックなもの、よりナチュラルなものを考えると100%オイル製品です。特に乾燥した季節では手に取って使ってみたくなるアイテムの1つとして重宝されるでしょう。
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