コラーゲンと商品開発

開発TIPS

ブームは過ぎても定番素材として安定の需要があるコラーゲン。コラーゲンは元々からだの中の構成成分の1つですが、何歳頃から減少していくのでしょうか? 20歳から減っていくと書かれているものもありますが、外見的な変化としてわかるのは30歳を過ぎた頃からといわれています。

そのコラーゲンも1種類ではなく30種類以上ありますが、よく知られているのはⅠ~Ⅳ型コラーゲンです。Ⅰ型コラーゲンは主に皮膚(真皮)、靭帯、骨の内部に含まれ、Ⅱ型コラーゲンは主に軟骨、粘膜に含まれています。体に最も多いのはⅠ型コラーゲンで、美容健康食品で使われるのはこのⅠ型コラーゲンを多く含む素材です。

このコラーゲンの原料ですが、豚皮、牛皮、魚皮、植物と様々なものが使われています。しかし、植物といっても、コラーゲンは動物特有のたんぱく質の1種ですから同一のものでなく、コラーゲンに含まれるヒドロキシプロリンなどのアミノ酸を多く含むため、植物由来コラーゲンと表現されたりしています。

同じことがプラセンタにも言えます。元々プラセンタは胎盤エキスです。コラーゲンは以前は独特の臭いが気になったものですが、最近は精製や配合技術等の向上により、気にならないものも多くなりました。でも、コラーゲンってそもそも食べて、そのまま体の組織のコラーゲンになるのかというと、消化吸収のメカニズムから一度アミノ酸に分解されますのでありえません。

コラーゲンを〇gとったら、皮膚中のコラーゲンが〇%増加したというデータがあったとしても、アミノ酸からたんぱく質に再合成されてそのままコラーゲンなっているとは限りません。アミノ酸もペプチドも体の中で必要なところに運ばれて利用されるだけです。コラーゲン商品も含有量競争から、からだの仕組みに沿ったよりマクロな視点で商品が創られてきています。

コラーゲンは補給+体内から作り出す、このWのアプローチがより効果的ですが、コラーゲン以外の補助成分をバランスよく一緒に取れたらさらにベターです。コラーゲンと相乗効果を期待できるものを入れて、1+1=2でなく、1+1=5となるようなものがベストです。

実際の商品化事例として「コラーゲンは補うものではなく作り出すもの」というコンセプトで美容ドリンクが作られていますが、そのカギとなるアプローチは「繊維芽細胞の生成促進」です。実はビタミンCやアミノ酸を始め、この働きをもつ素材、成分は沢山あります。

・ヒアルロン酸
・パフィアエキス(ブラジル人参)
・ゴツコラエキス
・筋骨草エキス
・プロテオグリカン
・コエンザイムQ10

等々。

また、コラーゲンはロープのような形状で、真皮内に網の目のように張りめぐらされています。それらを束ね、結ぶ役割を果たすのがエラスチン、これら2つが絡み合ったすき間を埋めているのが、ヒアルロン酸です。この3つが互いに支え合うことで、肌にハリやうるおい、柔軟性がもたらされています。そのため、美肌追及型サプリメントでは、この3成分が一緒に配合されているケースが多いです。
コラーゲンそのものの効果よりも、それ以外の成分を含めたバランスが大事です。結局、バランスの良い食事が大事なのと同じですね。

あとこれはオマケ的なサブコンセプトですが、美肌は寝ている間に作られることから、深い睡眠、入眠を促進するための素材をプラスすることがあります。別名「睡眠アミノ酸」といわれるグリシンです。サプリメントですから、いつでも飲んで構わないのですが、寝る前の習慣を定着させるのに「良い睡眠をとる」というコンセプトに一致する素材の配合も検討の余地ありですね。グリシン以外にもリラックス作用のあるGABAなども実際に使用されています。

 

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