CBDオイルを使ったサプリメントをOEMで作るには?

成分情報

CBDオイルの問い合わせが昨年から増えてきました。必ず日本にもトレンドが来ると確信したのは、2018年4月にロンドンで開催されたNatural & Organic Products Europe に参加した際、CBDオイル商品のブースがやたらに多かったからです。その際は、開催国イギリスや欧州のメーカーが多かったですが、いまやアメリカ、カナダ、豪州、イスラエルと世界中のCBDメーカーが市場参入しています。

日本では大麻取締法の規制のために、海外よりも扱うのが難しくなっていますが、規制対象成分となるTHC(テトラヒドロカンナビノール※)の含有量を国内で分析する仕組みができるあがると、一気に商品開発が進みそうな気配がします。現状輸入品のCBDオイルは、海外のメーカーもしくは海外の分析機関による分析試験成績書をもとに輸入されているものばかりです。

本記事では、CBDオイルについての懸念事項やCBDオイルを使ってOEMでサプリメントを作ることを想定した場合のポイントを書き留めておきます。

※大麻(マリファナ)の主成分で向精神作用があります。 大麻樹脂に数パーセント含まれ、精神作用のないカンナビジオール (CBD) と共に大麻(マリファナ)の主な有効成分です。

CBDオイルとは・・・

CBD の正式名称は「カンナビジオール」といいます。ヘンプ(麻)の主要成分
の一つであるカンナビジオール(CBD)は、精神作用がない安全な栄養素です。
ヘンプ(麻)の中には、活性物質であるカンナビノイドが 104 種類存在してい
ます。その中でもスーパースターと言われるのがカンナビジオール(CBD)であ
り、近年欧米などでは最も注目され、幅広く研究が進んでいる栄養素です。

ヘンプ(麻)の中には 400 種類以上のフィトケミカル(植物由来成分)が存在していると言われています。多くのメーカーでは、残留溶剤が一切残らない安全・安心の「超臨界 CO2 抽出システム」を用いて、ヘンプに含まれる栄養素を壊すことなく抽出しています。ナチュラルな栄養素をそのままに抽出することで、 主成分のカンナビジオール(CBD)を含む 多くの栄養素は、お互いの薬理活性を高め、相乗効果を発揮することができます。

何故ゆえにCBDオイルがここまで注目されるようになった理由の1つは、世界中でCBDに関する臨床研究が進み、人体にとっての有益性が多数報告(約230症例以上)されるようになったからです。

CBDオイルの輸入及びOEMの注意点

今まで海外メーカーからCBDオイルの提案を多数頂きましたが、必ず引っ掛かるのが禁止成分のTHCの含有量です。分析試験成績書を送ってもらえない、または送ってもらってもTHCの含有量が基準を超えていたケースもあります。

実際、日本国内で市販されている米国メーカーのCBDオイル製品(エリクシノール株式会社から販売されているCBD製品)18種類のうち、分析した結果3製品からTHCが微量含まれていたという報告がありました。このケースは市販後に発覚しましたが、極微量であっても海外から輸入したCBDオイルにTHCが含まれていた場合、税関で止められてしまうリスクがあります。

また、国内で栽培されている大麻にはCBDがあまり含まれておらず、法律上許可なしに勝手に大麻を栽培することもできません。となると、原料自体は輸入品に頼らざるを得ない状況です。しかしながら、CBDオイルのブランドも数多いです。CBDオイルのビジネスをお考えの場合は、高価な原料だけになるべくリスクを減らすように原料をチョイスしたいものです。

そのため、CBDオイルの商品をOEMで作りたい初心者の方は、自らオイル原料や商品を輸入するのは現状ハードルが高くてお勧めいたしません。また、仮に原料を国内で購入できたとしても、最終的に充填加工を引き受けてくれる受託製造工場を見つけるのも現状まだ難しいと思います。

CBDオイルの品質とOEM商品の作り方

100%のCBDオイルを試飲した方はわかると思いますが、正直決して「美味しい」ものではありません。むしろ草っぽい香りがして不味いです。原料としてのCBDオイルの品質を決める大きな要因として、①原産地、②抽出方法、③品質管理方法等が考えられます。

特に①と②についてみていきます。大麻は生育している土地の悪いものも全て吸収するといわれており、原産地がどこであるかはチェックしたい項目です。欧州では農薬管理も厳しく、CBD抽出用に品種改良しているものもあるようです。

②の抽出方法については、Co2抽出(超臨界抽出)がお勧めです。不純物を限りなく除去しますので、よりピュアなCBDオイルと不純物からくる雑味を防げるものと思います。

では、OEMでCBDオイル商品を作るためのポイントは何でしょうか?

まずは形状、摂取方法が挙げられます。

① 液体もの(遮光瓶入りのオイル)

② ソフトカプセル品(CBDオイルを充填)

③ ペースト分包

④ 気化吸入タイプ

⑤ その他一般食品、菓子、飲料等。。

最もポピュラーなのは①のオイルのまま摂取する方法です。スポイト瓶でそのまま舌に垂らして摂取します。吸入タイプの方がより脳にダイレクトに届く云々と言われますが、摂取方法による作用の違いはここではさておき、問題は配合です。

カンナビノイドは人間の体内の至る所に存在する受容体に作用して効果を発揮します。CBDオイルを摂取しても効果を感じにくい人は、このカンナビノイド受容体の総称であるエンドカンナビノイドシステム(ECS)が衰えている可能性があり、この受容体を活性化させる成分が必要になります。

CBDの品質および含有量、形状と配合が理にかなったものになっているかどうか、その辺りをチェックポイントとして留意しておくとよいでしょう。

CBDオイル市場の展望

キーワードトレンドから見ても、CBDオイルの検索数は伸びており、今後より市場が開けてくることは期待できます。只、サプリメントでは効果効能を一切広告宣伝できませんので、クローズドマーケットを中心にじわじわと広がっていくでしょう。

関連の医学論文は豊富ですので、近い将来、テアニンやGABAのような精神安定(リラックス)領域でCBDオイル含有の機能性表示食品が出てくる日も近いかもしれません。

化粧品でもCBDオイルを混ぜることで、機能性を持つスキンケアクリーム等の開発が期待されます。

 

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