中国ではサプリメントよりも化粧品の方がよく動いています。理由は輸入の仕組みにも関係していますが、売れているブランド別にいっても日本製の化粧品は大人気です。
JETROの公開資料によると、 中国における化粧品の需要の拡大で、化粧品の輸入額も増加しており、国別でいうと2019年1~5月期では今までトップだった韓国を抜いて日本が一位になりました。
化粧品といえば、資生堂やコーセー、カネボウなど大手ブランドが認知度があって強いと思いますが、かといって中小企業にとってチャンスがないということではありません。
化粧品と一言でいってもカバーされる商品アイテムは多岐にわたり、スキンケアもあればメイクアップ商品もあります。現地で無名のブランドでもプロモーション次第、商品次第で一躍人気ブランドになり得るのが魅力です。
本記事では、中国に化粧品を輸出したい中小企業向けに、輸出の流れ、製品区分、BtoBでの販路開拓等についてご紹介します。
中国での化粧品の定義と区分
1.定義
化粧品は、機能する化学製品であり、洗浄、臭いの除去、肌の保護、見た目とメイクアップの改善、髪、爪、唇の刺しゅう、スプレーまたは他の方法を含む人々の肌に使用されます。
2、分類
A:特殊機能:育毛、染毛、パーマ、脱毛、美乳、ボディービル、脱臭(消臭)、そばかす(日焼け防止)、日焼け止め(美白)
B:非特殊機能:特殊機能を除くすべての残り(ヘアケア、スキンケア、メイク、ネイル関係等も含む)
わかりやすく、Aは機能性化粧品、Bは一般化粧品と呼ぶことにします。A、Bともに中国CFDA(中華人民共和国国家食品薬品監督管理局)に登録申請が必要になります。
それぞれ登録申請する上での前提条件、流れ等についてお知らせいたします。
中国に化粧品を輸出するにはCFDAへの登録申請が必須
まず、登録申請の前に前提となる条件は、ざっくり言って以下の3点です。
① 輸出する国(日本)で化粧品として既に販売されていること
② 輸入に許可・責任を持ち中国で登記された法人格の会社があること
③ 商品の原材料(成分)が中国で使用が認められている範囲のもの
例えば、日本で人気のヒト由来幹細胞培養エキスはまだ中国では現在のところ使用NGです。
●登録申請に要する時間(目安)
機能性化粧品の場合:9~13ヶ月(テスト開始から)
一般化粧品の場合:3~5ヶ月 (テスト開始から)
●登録申請費用について
どちらも製品、代行会社によって変わります。ご興味ある方は弊社でも中国のパートナー企業と提携してサポート、代行しておりますので、お問い合わせください。
化粧品の中国輸出までの全体の流れ
① 製造許可証等の必要書類を提出
② 輸入化粧品システムのユーザー名、パスワードを取得(輸入者側)
③ 成分、パッケージ、証明書等の確認(適合性を調査)
④ サンプルの提供
⑤ サンプルの試験
⑥ 文書の準備(機能性化粧品、一般化粧品の区分に応じて)
⑦ 機能性の場合、技術レビューあり
⑧ CFDAから電子記録証明書を取得、輸入(日本から輸出)開始
全体の流れは以上ですが、初めてチャレンジする会社は、手続きがより簡素かつ低コストでハードルの下がった一般化粧品での登録申請をお勧めいたします。
しかしながら、ハードルが下がった分、競争の激しい市場になっていることは否めません。プロモーション、マーケティングがカギとなります。
B to Bでの販路開拓について
先程大手ブランドだけでなく、中小ブランドオーナーにもチャンスがあることをお伝えしましたが、 多くの中国のバイヤーは、総代理がとれる商品を希望します。
既に認知のあるブランドは、現地中国企業が総代理を取得されているケースがほとんどですので、結果(違い)がわかりやすい商品力かつ総代理取得のチャンスがあれば可能性があります。
但し、認知のない商品を広めるには、インターネット上のインフルエンサーであるKOL(key Opinion Leader)」を活用した宣伝などのプロモーション展開が必須となります。
そこで、まずはバイヤーに興味を持って頂くため、バイヤーとの接点が必要になってきます。バイヤーとの接点のチャンスが最も大きいのは、現地の化粧品展示会の出展です。
中国で最大級の化粧品展示会は、中国美容博覧会(China Beauty Expo)です。
https://www.cbebaiwen.com/
さらに、中国では、各地域の協会(association)に多くの企業が加盟しています。化粧品でいえば、中国百貨商業協会(CCAGM)の化粧品国際部門に化粧品製造メーカー、ブランドオーナー、卸会社等約15,000社の会員がいます。
弊社のパートナー企業(中国企業)は、この協会会員に通関及び検査サービスを提供している唯一の推奨会社です。
もし、日本製の化粧品を中国に輸出したい、展示会に出展したい、登録申請代行をお願いしたい等ご希望やお困りごとがございましたら、こちらからご相談ください。
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